庭には二羽ニワトリがいる
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タイトルを読んで「おいおい!ダジャレかよ!つまんねー」と思った方は正直に挙手していただきましょう。
ニワトリを飼うキッカケ
ひよこを買いにペットショップへ
ひよことの生活
ひよこを飼ってからは学校が終わったらすぐに帰って、ひよこの世話をする生活が始まりました。
世話といっても餌と水を上げて家である段ボールの底に敷いてある新聞紙を取り換えるだけ。あとは部屋に放して散歩させてました。
よちよち歩く小さい鳥はものすごくかわいかったです。
しかし1ヶ月もすると結構大きくなってきます。大きめの段ボールで飼育していましたが、そろそろきつくなってきそうと言った感じ。でもまだ見た目は大きめのひよこです。かわいがりました。
そして2ヶ月経ちました。このころになると大きくて段ボールじゃ無理。家で飼うことに限界を感じ、庭に小屋を作って外で買うことに。すでにこのころには少しトサカが生えていた気がします。
3ヶ月目にもなるとそれはもう立派なニワトリ。小学生の頃の僕は怖くて近づくのもためらうようになりました。飼い主である僕を果敢につつくニワトリたち。文字通り、庭には二羽ニワトリがいる状態になりました。
もうこのころには父が世話をしていました。僕は毎朝学校に行く前に覗くだけ。小屋から出さなければこっちのもんです。
そんな幸せ(?)な期間もつかのま。重大なことが起こってしまします。
鳥インフルエンザの流行
世間では鳥インフルエンザが流行し、養鶏場では何万羽もの鳥たちが処分されました。一応僕の家にいるニワトリも鳥なので感染する危険性は十分にあります。
住宅街だったこともあり、うちのニワトリがインフルエンザになっては近所に迷惑がかかる。だからと言ってその辺に逃がすわけにはいかない。どうしようかと家族会議をしました。
夜のうちにこっそろ学校の飼育小屋に入れるという意見が無視されたことは言うまでもありません。
結局は父が会社で貰い手を見つけたので、その人に譲ることに。
別れ
いよいよ別れの日。今日ばかりは最後なのでニワトリと触れ合おうと思い、恐怖心を抑え、自ら歩み寄りました。しかし奴らはこれでもかと僕をつつきます。やり場のない怒りと、こみあげる悲しさ。せっかく育ててあげたのにつつかれるなんて買う前は思ってもいませんでした。
そして貰ってくれる人の家に届けます。僕の家よりも広く、いわゆる農家の方。庭も広かったので、きっと家にいるよりも幸せだろうと思い可愛がってくださいとお願いしました。
家に帰ると当然ですがニワトリはもういません。せっかく飼ったはじめてのペットが鳥インフルエンザの流行で譲るとは考えてもいませんでしたが、生き物を飼うという経験ができてよかったなと思います。
後日談
ニワトリたちがいなくなって僕が悲しんでいるだろうと思ったのか、定期的に会社の人にたのんで写真を貰い僕に見せてくれました。新しい写真を見るたびに大きくなっているのを見て僕は嬉しかったです。
ですがある日を境に写真がなくなります。僕が父にニワトリは元気なのかと聞くと、何とも言えない表情でこういいました。
「食べちゃったって」
予想外の発言。貰ってくれた人は大きくなったから食べたそうです。まさか食べるとは思いませんでした。
ちょっぴり人間として大きくなった体験でした。
ちなみにその日の夜僕は布団で涙を流しながら寝ました。
おわり