Hello work!

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最終面接の不合格通知が届いてから数日、僕は実家に帰ってきた。未だに少し落ち込んでいる僕は親ならば慰めてくれるに違いない、と淡い期待を抱き帰省した。

 

最寄りのバス停まで母親が迎えに来てくれ、久々に会う息子に対し歓迎ムード。

 

 

この雰囲気なら言えると思い、家まで向かう車内で意を決し最終面接で落ちたことを伝えると先ほどの歓迎ムードから一転、車内には緊張が走った。数秒の沈黙の後、母は笑いながら「このまま職安(ハローワーク)に連れて行ってやろうか?」と言い放った!

 

母がどのような気持ちで言ったかは定かではないが「あら、残念だったね…次頑張りなさい」などの優しい言葉を期待していた僕にとってこの言葉は耳を疑わざるをえなかった。

 

どうやら内定が無い息子に対し慈悲は一切無いらしい。あゝ無情。

 

しまいには僕を無職呼ばわりする始末。しかし、声を大にして言いたい。僕はまだ学生である。3月までは一応身分は学生、無職と呼ばれるのは心外だ。

 

そんなこんなで職安に連れて行かれそうになったが「ははは…」と乾いた笑いで華麗にスルー。なんとか連れて行かれることは免れたが、「お前の人生のピークは高校受験か?」や「春からニート?」などと手厳しい言葉の連発。その度に僕のライフは減り、確実にダメージが蓄積されていく。

 

以前まではお腹空いたと言えばご飯の準備をしてくれたが、今朝出てきたのは干し柿。「働かざるもの食うべからず」ならぬ、「就職決まらぬもの食うべからず」という意味だろうか。むしろ干し柿が出ただけありがたく思えと言わんばかりの表情にも見えた。

 

このままではおまんま食い上げ、餓死の可能性を危惧した僕はなるべく刃向わず、母の言うことを聞こうと決心した。

 

どうやら今年の年末年始は厳しくなりそうである。このまま長く実家に滞在してしまうと本当にハローワークに連れて行かれてしまうかもしれないので、なるべく早く東京に帰ろうかと密かに思っているところだ。